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中央アフリカで2023年7月、大統領を警備するロシアの民間軍事会社ワグネルの隊員=ロイター

 ロシアが強力な後ろ盾になってきたシリアのアサド政権が崩壊し、同国地中海沿いの都市にあるロシア軍基地の存続が不透明になっている。中東や欧州に対して存在を誇示する拠点の一つだったうえ、ロシアが力を入れるアフリカの親ロシア国支援の補給基地の役割も果たしてきた。ロシアでは存続について悲観的な見方もあり、アフリカ戦略の痛手になるとの声が出ている。

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 ロシアは、シリア西部にフメイミム空軍基地、地中海沿岸にタルトス海軍基地を保有する。2015年に軍事介入してアサド政権を立て直した後、49年間の租借で合意した。

 反体制派が首都ダマスカス制圧を宣言し、アサド氏の亡命が報じられた翌日の9日、ロシアのペスコフ大統領報道官は、「安全確保に関係する可能性のある人に連絡を取っている。軍も必要な対応をしている」と述べ、反体制派と接触しつつ、基地の防衛態勢を強化していることを示唆した。

 いまのところ、反体制派によるロシア軍基地への攻撃の情報はなく、ロシア側もシリアの各勢力への接触を模索しているとみられる。

 それでも、基地存続については悲観的な見方が出ている。

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